クロールバジェット

クロールバジェットを決めるクロール容量と需要、クロールを浪費する要因、サイト規模から対策の必要性を判断する方法を解説します。

初回公開:2026年6月22日 · 最終更新:2026年8月22日 · Advanced
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クロールバジェットは、検索エンジンがサイトをクロールでき、かつクロールしたい量です。サーバーが処理できるクロール容量と、人気度や更新頻度に基づくクロール需要で決まります。クロール量はランキング要因ではなく、多くのサイトでは管理する必要もありません。主に百万ページ以上のサイト、毎日変化する一万ページ以上のサイト、または「検出 - インデックス未登録」が大量にある場合に問題になります。最大の改善策は、ファセットナビゲーション、重複、ソフトエラーページ、無限空間などの無駄を減らし、重要なURLへクロールを集中させることです。

要点 — クロールバジェットは、クロール容量の上限(サーバーが処理できる量)とクロール需要(人気度、更新からの経過時間、認識されているURL在庫)の組み合わせです。ランキングシグナルではなく効率の問題であり、内部ではサイトごとの固定枠ではなく、ホスト負荷を上限とする重要度順のスケジューリングとして動きます。ほとんどのサイトは無視できます。Muellerによれば十万URLでは通常問題にならず、Googleも公開当日にクロールされるサイトはガイドを読む必要がないとしています。問題になりやすいのは、週単位で変わる約百万ページ以上、毎日変わる一万ページ以上、または「検出 - インデックス未登録」が増えている場合です。最も効果が大きい対策は、ファセットURL、重複、ソフトエラーページ、無限空間を減らし、重要なURLにクロールを集中させることです。

Evidence for this claim Google defines crawl budget using crawl capacity limit and crawl demand. Scope: Google Search crawling for larger sites. Confidence: high · Verified: Google: Large site crawl budget guide

2要因モデル

Googleは明確に定義しています。“The amount of time and resources that Google devotes to crawling a site is commonly called the site’s crawl budget and it’s determined by two main elements: crawl capacity limit and crawl demand.” (翻訳) 「Googleがサイトのクロールに充てる時間とリソースの量は一般にサイトのクロールバジェットと呼ばれ、クロール容量の上限とクロール需要という2つの主要要素で決まります。」 Gary Illyesが2017年に示した、今でも使いやすい一文は、クロールバジェットとは*“the number of URLs Googlebot can and wants to crawl.”* (翻訳) 「Googlebotがクロールでき、かつクロールしたいURLの数」です。 Evidence for this claim Google defines crawl budget using crawl capacity limit and crawl demand. Scope: Google Search crawling for larger sites. Confidence: high · Verified: Google: Large site crawl budget guide 範囲を混同しないでください。クロールバジェットが左右するのは取得であり、インデックス登録ではありません。クロール済みURLも別の登録判断を受けるため、両者を一緒にするとクロールバジェットの影響を誇張します。

クロール容量の上限(供給側)。 Googleの定義では、“the maximum number of simultaneous parallel connections that Google can use to crawl a site, as well as the time delay between fetches.” (翻訳) 「Googleがサイトのクロールに使用できる同時並列接続の最大数と、取得間隔」です。 この上限はサーバーの健全性で変わります。高速で正常な応答が続けば上がり、遅い応答、5xxエラー、429が発生すればGooglebotは速度を落とします。私のHow Search Works資料 でも、サーバーの安定性、遅い応答、5xxサーバーエラー、429(リクエスト過多)を速度制限の要因として挙げています。これが「できる量」です。

クロール需要(需要側)。 主な要因は、URLへのリンクや重要度を表す人気度と、最後のクロールからの経過時間や変更頻度を表す古さです。同じ資料 では、PageRank、ページの変更頻度、最終クロールからの時間、大規模なサイト変更に分けています。特にGoogleは、制御しやすい要因として認識されているURL在庫を挙げています。“Without guidance from you, Google tries to crawl all or most of the URLs that it knows about on your site. If many of these URLs are duplicates, or you don’t want them crawled for some other reason… this wastes a lot of Google crawling time on your site. This is the factor that you can positively control the most.” (翻訳) 「指示がなければ、Googleは認識しているURLのすべて、または大部分をクロールしようとします。重複URLや、ほかの理由でクロールしてほしくないURLが多いと、サイトに対するGoogleのクロール時間が大きく浪費されます。これは最も積極的に制御できる要因です。」

Demand sets the priority order; capacity determines how much of that ordered queue Googlebot can actually crawl. 出典: Google Search Central

Crawl demand comes from popularity, genuine change, and the value of the URL inventory. It orders URLs in a priority queue. Crawl capacity comes from server response speed, stability, and error behavior. It limits how far Googlebot proceeds through that queue. Their interaction is the site's realized crawl budget, not a fixed daily URL quota.

© Patrick Stox LLC · CC BY 4.0 ·

見落とされやすい構造上の事実が2つあります。

  • バジェットはホスト名単位です。 https://www.example.com/ and https://code.example.com/ are two different hostnames, and therefore have separate crawl budgets.” (翻訳)https://www.example.com/https://code.example.com/は別のホスト名なので、クロールバジェットも別です。」サブドメイン間では共有されません。
  • 異なるGooglebot種別は1つの枠を共有している可能性があります。 私自身のレポートでは、画像、ニュース、動画、広告などが同じサイト単位の枠を使っているように見えます。ただし、これを厳密に裏付ける現在のGoogle一次資料はないため、公式方針ではなく実務上の観察として扱ってください。特定の種類がほかを圧迫している疑いがあれば、Crawl Statsレポートのクローラー種別内訳を確認する価値があります。

内部の実態:重要度に基づくスケジューリング

「クロールバジェット」はSEO業界が作った包括的な呼び方です。内部の仕組みは、ホスト負荷を上限とするスケジューリングに近いものです。IllyesはGoogleのスケジューラーについて、“sets a bucket of URLs in importance order and GoogleBot will crawl in that order based on the schedule the host load decided. If Google thinks your server can handle it, it will crawl the whole bucket, if not, it will stop.” (翻訳) 「URLを重要度順のバケットに入れ、ホスト負荷が決めたスケジュールに従ってGooglebotがその順でクロールする。サーバーが処理できると判断すればバケット全体をクロールし、できなければ止める」と説明しています。

この見方をすると全体像が変わります。1日Nページという一律の割り当てではなく、優先順位付きキューであり、クロールは検索需要に連動します。Illyesはさらに、“If search demand goes down, then that also correlates to the crawl limit going down,” (翻訳) 「検索需要が下がると、クロール上限の低下とも相関する」 また、“if you want to increase how much we crawl, then you somehow have to convince search that your stuff is worth fetching, which is basically what the scheduler is listening to.” (翻訳) 「クロール量を増やしたいなら、取得する価値があると検索側に納得させる必要があり、スケジューラーは基本的にそれを見ている」と述べています。Search Relationsチームも「1日当たりの固定ページ枠」という考えを誤解だと明言しています。

本当にクロールバジェットの問題があるか

ここが最も重要なので率直に言います。ほとんどのサイトはクロールバジェットを心配する必要がありません。 Googleのガイドは次の説明から始まります。“If your site doesn’t have a large number of pages that change rapidly, or if your pages seem to be crawled the same day that they are published, you don’t need to read this guide. For Google Search specifically, merely keeping your sitemap up to date and checking your index coverage regularly is adequate.” (翻訳) 「急速に変化するページが大量にない場合、または公開当日にページがクロールされている場合、このガイドを読む必要はありません。Google検索では、サイトマップを最新に保ち、インデックスカバレッジを定期的に確認するだけで十分です。」 Evidence for this claim Google says sites without many rapidly changing pages, or whose pages are crawled the day they publish, generally do not need crawl-budget guidance. Scope: Google's rough applicability guidance, not a guarantee for every site. Confidence: high · Verified: Google: Large site crawl budget guide

John Muellerは具体的な目安として、“100k URLs is usually not enough to affect crawl budget (it’s <1/minute over 3 months).” (翻訳) 「十万URLでは通常クロールバジェットに影響するほどではありません(3か月で1分当たり1URL未満です)」と述べています。URLが十万件未満でページが速やかにクロールされているなら、ほかの課題を優先してください。

問題になる場合について、Googleはおおよそ次の目安を示しています。

  • 大規模サイト — 約週1回の頻度で変化する固有ページが百万件以上。
  • 中規模以上のサイト — 毎日変化する固有ページが一万件以上。
  • Search Consoleで「検出 - インデックス未登録」に分類されるURLが多いサイト — GoogleがURLを認識しているのに取得へ進めていない警告です。

Googleは*“the numbers given here are a rough estimate… not exact thresholds.”* (翻訳) 「ここで示した数値は概算であり、厳密なしきい値ではない」と付記しています。大規模サイトでも、遅れやすいのは人気ページではなく、新規、内部リンクが弱い、または静的なページであることが多いというのが私の実務上の見方です。

クロールバジェットは順位に影響するか:しない

順位を得るにはクロールが必要ですが、クロール自体はランキングシグナルではありません。Googleは2017年に、“An increased crawl rate will not necessarily lead to better positions in Search results. Google uses hundreds of signals to rank the results, and while crawling is necessary for being in the results, it’s not a ranking signal.” (翻訳) 「クロール速度を上げても検索結果の順位向上に直結するとは限りません。Googleは数百のシグナルで順位を決めます。検索結果に含まれるにはクロールが必要ですが、ランキングシグナルではありません」と説明しました。私もAhrefsの記事で、“More crawling doesn’t mean you’ll rank better, but if your pages aren’t crawled and indexed they aren’t going to rank at all.” (翻訳) 「クロールが増えても順位は上がりませんが、ページがクロールもインデックス登録もされなければ、そもそも順位は付きません」と書いています。クロールバジェットは効率の問題として扱ってください。

クロールバジェットを浪費するもの

Illyesは価値の低いURLの代表例を*“in order of significance”* (翻訳) 「重要度順」に公開しました。

  1. ファセットナビゲーションとセッションID — 最大の原因です。特にECサイトの絞り込みや並べ替えの組み合わせはURLを急増させます。
  2. サイト内の重複コンテンツ — HTTPとHTTPS、wwwの有無、末尾スラッシュ、大文字小文字、default/indexページ、URLパラメータなどの技術的な違いです。Googleの内部推定では、ウェブのおよそ60%が重複コンテンツです。
  3. ソフトエラーページ — 見つからない内容なのに200を返すページはクロールされ続けます。
  4. ハッキングされたページ。
  5. 無限空間とプロキシ — カレンダー、重複を生む無限スクロール、ファセットの組み合わせなど、典型的なスパイダートラップです。
  6. 低品質コンテンツとスパム。

具体的な損失について、“Wasting server resources on pages like these will drain crawl activity from pages that do actually have value, which may cause a significant delay in discovering great content on a site.” (翻訳) 「このようなページにサーバー資源を浪費すると、本当に価値のあるページからクロール活動が奪われ、優れたコンテンツの発見が大幅に遅れる可能性がある」と説明されています。さらに、長いリダイレクトチェーンは*“have a negative effect on crawling,”* (翻訳) 「クロールに悪影響を与え」、遅く重いページは取得コストを増やします。

最適化する方法

要点は、重要なURLへクロールバジェットを集中させることです。

  • 重複を統合する。 Googleは*“Consolidate duplicate content to focus crawling on unique content rather than unique URLs.”* (翻訳) 「重複コンテンツを統合し、固有URLではなく固有コンテンツにクロールを集中させる」と案内しています。ホスト、プロトコル、末尾スラッシュの規則を1つに決め、canonicalとパラメータを適切に処理します。
  • 本当に価値のないパスをrobots.txtでブロックする。 対象は今後もクロールさせないパスだけです。ファセットナビゲーションでは、パラメータ付きパスをrobots.txtで止めるか、?ではなく#を使って最初からクロール可能なURLにしない方法があります。
  • バジェット節約のためにnoindexを使わない。 Googleは*“Don’t use noindex, as Google will still request, but then drop the page when it sees a noindex meta tag or header in the HTTP response, wasting crawling time.”* (翻訳) 「noindexを使ってもGoogleはページをリクエストし、レスポンス内のnoindexを見てから破棄するため、クロール時間を浪費する」と説明しています。取得させたくない場合はrobots.txtで止めます。
  • robots.txtで空いた枠が自動的に再配分されると期待しない。 “Google won’t shift this newly available crawl budget to other pages unless Google is already hitting your site’s serving limit.” (翻訳) 「サイトの配信上限にすでに達していない限り、Googleは新たに空いたクロールバジェットをほかのページへ移さない」とされています。不要URLのブロックは有益ですが、容量上限に達していなければ、空いたクロールが良いページへ渡るわけではありません。
  • ソフトエラーページを直し、削除済みページには本当の404/410を返す。 “A 404 status code is a strong signal not to crawl that URL again.” (翻訳) 「404ステータスコードは、そのURLを再びクロールしないよう伝える強いシグナル」です。
  • リダイレクトチェーンを短くし、サイトマップを最新に保ち(正確なlastmodを使い)、サーバーを高速化する。
  • 重要な新規ページへの内部リンクを強化する。 自分で完全に制御できるため、実行しやすい対策です。

Googleが実際にバジェットを増やす方法として挙げるのは、次の2つだけです。“Add more server resources… [and] optimize your content’s quality.” (翻訳) 「サーバー資源を増やし、コンテンツの品質を最適化する」です。高速なサーバーは容量の上限を引き上げますが、需要が低ければGoogleのクロール量は少ないままです。両方が必要です。

測定方法

  • GSC > 設定 > クロールの統計情報レポート — 時系列の総クロールリクエスト数、平均応答時間、ホストの状態、応答コード・ファイル形式・Googlebot種別ごとの内訳を確認できます。Google自身から見たクロール状況です。
  • サーバーログ分析 — 実際の状況を示す一次データです。URLパターン別の本物のGooglebotアクセスから、クロールの無駄と未クロールの重要ページを把握できます。ユーザーエージェントを偽装するbotも多いため、逆引き・正引きDNSまたはGoogle公開のIP範囲でGooglebotを検証してください。
  • GSCの「検出 - インデックス未登録」 — 増加している場合、GoogleはURLを認識しているものの取得へ進めていないため、クロールバジェットの警告として扱います。
Crawl waste appears in the mismatch: facet URLs occupy 45% of the inventory and 61% of requests, but only 8% of useful 200 responses.

In a synthetic cohort, product pages are 28 percent of the URL inventory, 24 percent of Googlebot requests, and 52 percent of useful 200 responses. Category pages are 7, 10, and 21 percent. Facet URLs are 45, 61, and 8 percent. Gone URLs are 20, 5, and 0 percent. The figures illustrate comparison logic, not a live log sample.

Bingなどの検索エンジン:「クロール効率」

Bingはバジェットではなくクロール効率として捉えます。Fabrice Canelの定義は、“The crawl efficiency is how often we crawl and discover new and fresh content per page crawled.” (翻訳) 「クロールした1ページ当たり、どの程度の頻度で新しく新鮮なコンテンツをクロールし発見できるか」です。目標は*“crawl an URL only when the content has been added (URL not crawled before), updated (fresh on-page context or useful outbound links).”* (翻訳) 「コンテンツが追加されたとき(未クロールのURL)、または更新されたとき(新鮮なページ内容や有用な外部リンク)だけURLをクロールする」ことです。Bingの端的な考え方は、“Less is more for SEO. Never forget that. Less URLs to crawl, better for SEO.” (翻訳) 「SEOでは少ないほどよい。忘れないでください。クロールするURLが少ないほどSEOにはよい」です。

Bingが推奨する対策はIndexNowです。変更したURLを通知すれば、bingbotが探索目的でクロールする必要を減らせます。また、Bing Webmaster ToolsのCrawl Controlでは、サーバー負荷を守るためにbingbotがクロールする時間帯を1時間単位で設定できます。ここはGoogleとBingの実質的な違いです。GoogleはSearch Consoleの旧クロール速度制限機能を廃止しましたが、Bingでは現在もクロール予定を能動的に調整できます。

クロールバジェットに関する誤解

  • 「すべてのサイトがクロールバジェットを最適化すべき」 — いいえ。公開当日にクロールされ、URLが十万件未満なら通常は問題ありません。
  • 「クロールが増えると順位が上がる」 — いいえ。クロールは必要ですが、ランキングシグナルではありません。
  • 「1日当たりの固定ページ枠である」 — いいえ。ホスト負荷を上限とした重要度順のスケジューリングです。
  • noindexでバジェットを節約できる」 — いいえ。Googleは先にページをリクエストします。
  • robots.txtでページを止めれば、ほかのページに枠が回る」 — 通常は違います。配信上限に達している場合に限られます。
  • 「サーバーを速くするだけでバジェットが増える」 — 容量の上限は上がりますが、需要が低ければクロールは増えません。

この仕組みを含む広い流れ、つまり発見、クロールスケジューラー、レンダリング、クロールとインデックス登録の違いについては、クローリングのハブを参照してください。関連トピックのクロール速度、クロール頻度、スパイダートラップ、ログファイル分析では、それぞれの要素を詳しく扱っています。

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