多言語SEO

複数言語に対応するサイトのSEOを解説します。多言語と多地域の違い、Googleの言語検出、hreflang、URL構造、Bingのシグナル、機械翻訳の判断基準を整理します。

初回公開:2026年6月25日 · 最終更新:2026年8月13日 · Advanced
言語

多言語SEOは、複数言語を提供するサイトを最適化し、各バージョンを適切な検索者へ届ける取り組みです。Googleは<html lang>属性やContent-Languageヘッダーではなく、表示テキストから言語を判断します。hreflangも言語検出器ではなく、代替URLの関係を示すものです。一方、Bingはcontent-languageメタタグを重視します。まず対象言語で価値あるコンテンツを作り、言語ごとのURLを用意し、相互のhreflangで結びます。多くのサイトではサブディレクトリが現実的です。hreflang実装の67%には問題がありましたが、優先すべきは相互参照の欠落や壊れたURLなどの構造エラーです。

TL;DR — 心構えを正しく持てば、多言語SEOの大部分は整理できます。Googleは言語検出に <html lang> 属性も Content-Language HTTPヘッダーも使わず、主に表示テキストを使います。他の検索エンジンは別のシグナルを使う可能性があるので、現在のガイダンスを確認してください。hreflang はページの言語を宣言するのではなく、URL同士を代替版として対応付け、Googleが適切な版に差し替えられるようにします。これは指示ではなくヒントです。さらに非常にエラーが起きやすく、私の374 756ドメインの調査では67%にhreflangの問題がありました。ほとんどのサイトではサブディレクトリを使い、Googlebotを自動リダイレクトせず、実際のビジネス上の理由があるページだけを翻訳します。

Evidence for this claim Google recommends distinct URLs for each language version and cautions against relying on cookies or browser settings to swap content at one URL. Scope: Current Google multilingual site guidance. Confidence: high · Verified: Google Search Central: Managing multilingual sites Evidence for this claim hreflang can connect equivalent language or regional URLs, while page language is determined from visible content rather than the annotation alone. Scope: Current Google localized-version guidance. Confidence: high · Verified: Google Search Central: Localized versions

多言語 ≠ 多地域

基礎となる区別です。多言語は言語、多地域は国に関するものです。ドイツ語、フランス語、イタリア語のスイスのサイトは多言語ですが単一地域です。米国/英国の英語サイトは多地域ですが単一言語です。両者は常に重なりますが、使うシグナルと生じる問題が異なるため、私は頭の中で分けています。Google自身の説明では、“A multilingual website is any website that offers content in more than one language,” (翻訳)「多言語Webサイトとは、複数の言語でコンテンツを提供するWebサイトです」に対し、“A multi-regional website is one that explicitly targets users in different countries.” (翻訳)「多地域Webサイトとは、異なる国のユーザーを明示的に対象にするWebサイトです」です。

Googleが実際にページの言語を検出する方法(ここが重要)

このテーマ全体で最も誤解されている点です。多くの人が間違えるので、あえて強調する価値があります。

Googleは <html lang> 属性を無視します。Googleは Content-Language HTTPヘッダーを無視します。表示されているテキストを読みます。

ドキュメントの記述をそのまま引用すると、“Google uses the visible content of your page to determine its language. We don’t use any code-level language information such as lang attributes, or the URL.” (翻訳)「Googleはページの表示コンテンツを使って言語を判断します。lang 属性やURLのようなコードレベルの言語情報は使いません。」です。hreflangのページにも、“Google doesn’t use hreflang or the HTML lang attribute to detect the language of a page; instead, we use algorithms to determine the language.” (翻訳)「Googleはページの言語検出に hreflang やHTMLの lang 属性を使わず、代わりにアルゴリズムで言語を判断します。」とあります。

Search Off the Record(2024年7月)で、Gary Illyesはこれに名前を付けました。LDCP — Language Demotion, Country Promotion(言語による降格、国による昇格)です。説明は、“if someone is searching in German and your page is in English, then you would get a demotion.” (翻訳)「誰かがドイツ語で検索していて、ページが英語なら降格されます。」でした。これは順位付けの仕組みで、hreflangより基礎的です。ページが検索者の言語で本当に書かれていなければ、タグが何を示していてもLDCPが降格します。(Illyesは、Googleがすでに代替言語版を「自動的に学習」して対応付けるシステムを持つとも示しており、この種の手動シグナルは廃れていく方向です。)

Googleが<html lang>を信用しないのは、誤っていることが多いからです。Garyが紹介したJoomlaの例では、CMSが*“[Joomla] came with the Lang attribute set to English, and there was no way to override it… And then you looked at the page, and it was 100% German. So it was like you can’t trust that.”* (翻訳)「JoomlaはLang属性が英語に設定された状態で提供され、上書きする方法がありませんでした。ページを見ると100%ドイツ語でした。だから信用できないのです」という状態でした。John Muellerも同じ点を説明し、HTMLのlang属性は*“something we don’t use at all”* (翻訳)「まったく使わないもの」であり、“almost always wrong. So we tend to ignore that.” (翻訳)「ほとんどいつも間違っているので、無視する傾向があります」と述べています。

**結論:**言語検出はマークアップではなく、コンテンツの問題です。対象言語で本物のコンテンツを書いてください。lang 属性はアクセシビリティ(スクリーンリーダー)とBingには依然として重要ですが、Googleの言語検出には使われません。

Bingは逆の仕組みです

Bingは**hreflangをサポートしていません。**Googleがコードレベルの言語ヒントを無視する一方、Bingはそれに依存します。Bingの優先順位は次のとおりです。

  1. <meta http-equiv="content-language" content="en-us">第一シグナル。
  2. <html lang=""> 属性 — 第2シグナル。
  3. ページ上のテキストコンテンツ。

Bingの形式は、2文字のISO 639言語コード、ハイフン、ISO 3166地域コードです(en-uses-mx)。そのため、両方の検索エンジンに対応する適切な国際化サイトには、別URLのコンテンツに加えて、hreflang(Google/Yandex向け)content-languageメタタグ(Bing向け)が必要です。冗長ではありません。異なる検索エンジンへ異なる入力を渡します。

hreflangが実際に行うこと、行わないこと

hreflangは**言語検出器ではなく、関係マップです。**ページの言語をGoogleに伝えるものではありません。Googleはすでにコンテンツから判断します。hreflangが伝えるのは、どのURLがどの言語・地域のユーザーに向けた代替版かであり、検索者ごとに正しい版へ差し替えられるようにします。Googleは、“Use hreflang to tell Google about the variations of your content, so that we can understand that these pages are localized variations of the same content.” (翻訳)hreflang を使ってコンテンツのバリエーションをGoogleに伝え、これらのページが同じコンテンツのローカライズ版だと理解できるようにしてください。」と説明しています。

クラスターを有効にするには、3つの点が正しくなければなりません。

  • 双方向。 “If two pages don’t both point to each other, the tags will be ignored.” (翻訳)「2つのページが互いを指していなければ、タグは無視されます。」英語版がイタリア語版を指すなら、イタリア語版は英語版へ戻す必要があります。
  • **自己参照。**各ページが自分自身と他のすべての版を列挙する。
  • **x-default。**一致しない言語のフォールバック(推奨ですが、厳密には必須ではありません)。

配信方法は3つあります。<head> のHTML <link> タグ、HTTP Link ヘッダー(PDFのような非HTMLファイルに便利)、または xhtml:link 名前空間を持つXMLサイトマップです。URLは https:// を含む完全修飾URLにしてください。

そして重要なのは、**hreflangは指示ではなくヒントだということです。**Google自身の説明は、“hreflang annotations are a hint to Google, not a directive.” (翻訳)「hreflangアノテーションはGoogleへのヒントであり、指示ではありません。」です。canonicalタグ、コンテンツシグナル、インデックス状態が一致しなければ、Googleはそれを上書きできますし、実際に上書きします。

あまり語られない価値:hreflangは新しい言語のインデックス登録を速める

ほとんど誰も話さないメリットがあります。同じSOTRエピソードで、Gary Illyesはhreflangの発見が代替版の検証クロールを引き起こすと述べました。“There is a dependency crawl triggering when we discover Hreflang, like we want to verify that.” (翻訳)「Hreflangを発見すると、それを検証したいので依存関係のクロールが起きます。」つまりGoogleがページ上のhreflangを見つけると、関係を検証するために代替言語版をクロールします。これにより**新しく公開した言語ページのインデックス登録が速くなります。**hreflangは正しい版を表示するだけでなく、新しい言語の発見を促進します。

GSCのhreflangデータが少なく見える理由(正常です)

Illyesのもう1つの指摘も覚えておく価値があります。“Search Console only reports canonicals… the vast majority of the Hreflang clusters… are not canonical.” (翻訳)「Search Consoleが報告するのはcanonicalだけで、hreflangクラスターの大部分はcanonicalではありません。」ほとんどのhreflang代替版はcanonical URLではないため、GSCのカバレッジレポートには個別に表示されません。ダッシュボードが「言語ページがインデックスされていない」ように見えても、実際にはGSCがcanonicalだけを報告していることがよくあります。集計値を信用せず、URL検査ツールと実際のSERPで確認してください。

es-MXとes-ESの重複コンテンツ

スペイン語の2つのバリエーションが重複として扱われるのではないか、という不安はよくあります。Googleの実際のルールは、“Localized versions of a page are only considered duplicates if the main content of the page remains untranslated.” (翻訳)「ページのローカライズ版は、ページの主要コンテンツが翻訳されていない場合にのみ重複と見なされます。」です。通貨、語彙、地域の参照先などに本当の違いがある2つのスペイン語ページは別物です。しかし地域差のない同一テキストのes-ESとes-MX URLは、重複として扱われます。hreflangだけでは分離できず、**別の地域コンテンツが必要です。**有効なhreflangクラスター内ではシグナルが代替版全体で統合されることもあり、通常は役立ちます。

URL構造、内部リンク、言語検出

構造。 ほとんどのサイトではサブディレクトリ(/es//fr/)を使います。ルートドメインの権威性を引き継ぎ、保守負担も小さいためです。サブドメインは別サイトに近く扱われます。ccTLDはを対象にする最も強い地域シグナルですが、プロパティとリンク構築を別々に管理する必要があります。URLパラメータは明示的に*“not recommended.”* (翻訳)「推奨されません」とされています。

**版同士の内部リンク。**言語版同士を適切にリンクします(言語スイッチャーもその一部です)が、すべての代替版を主要ナビゲーションのリンクにしないでください。正式な関係はhreflangに担わせ、スイッチャーはユーザーのために使います。

言語検出UXとクロール可能性の罠。 ここでサイトは静かに壊れます。Googlebotは*“sends HTTP requests without setting Accept-Language in the request header”* (翻訳)「リクエストヘッダーにAccept-Languageを設定せずにHTTPリクエストを送信します」。クロール元は主に米国IPですが、米国外のIPも一部使います。IPやAccept-Languageに基づいてユーザーを言語版へ自動リダイレクトすると、Googlebotには英語版しか見えず、他言語版を発見できない可能性があります。Googleの明確な指示は、“Avoid automatically redirecting users from one language version of a site to a different language version.” (翻訳)「サイトのある言語版から別の言語版へユーザーを自動リダイレクトするのは避けてください」です。

代わりに、別URLを配信し、hreflangを付け、ユーザーを助けたい場合は邪魔にならない提案バナー(「このページは英語でも利用できます。切り替えますか?」)を表示します。現在のURLに留め、cookieまたはlocalStorageで選択を記憶させます。Accept-Language提案として使い、リダイレクトのトリガーにはしません。国旗を言語識別子に使うのも避けてください。国旗は国のもので、言語のものではありません。

翻訳品質と機械翻訳

機械翻訳自体は禁止されていません。Google自身の定義では、“Scaled content abuse is when many pages are generated for the primary purpose of manipulating search rankings and not helping users.” (翻訳)「スケールドコンテンツの不正利用とは、ユーザーを助けるのではなく検索順位を操作することを主目的として多数のページを生成することです。」です。 Jump to quote 翻訳は、このポリシーが扱う自動変換の例の1つとして挙げられています。具体的には、“including through automated transformations like synonymizing, translating, or other obfuscation techniques,” (翻訳)「同義語化、翻訳、その他の難読化技術のような自動変換を含む」、特に*“where little value is provided to users.”* (翻訳)「ユーザーにほとんど価値が提供されない場合」です。 Jump to quote 判断基準は制作方法ではなく価値です。編集者の監督なしに生の機械翻訳を大量投下することが本当のリスクです。人間によるレビューとキュレーションを加えた機械翻訳(一般にMTPEと呼ばれるワークフロー)は、リスクを避ける標準的でスケーラブルな方法です。翻訳ページも他のページと同じように、対象市場の本当の検索意図に応えるかで判断します。英語キーワードを翻訳するだけでなく、言語ごとにキーワード調査を行ってください。意図と表現は市場ごとに異なるからです。(詳しくは機械翻訳とSEOを参照。)

多言語サイトのschema

Article/Product/FAQPage schemaの inLanguage プロパティでコンテンツの言語を示し、各言語版にその言語のschemaブロックを持たせます。schemaとhreflangは別の仕事をします。hreflangは代替URLを対応付け、schemaはコンテンツの意味と言語を明確にします。相互に補完する層です。

エラー率:374 756ドメインの調査

hreflangを使う374 756ドメインの調査を行いました。結論は、67 %超に問題があったことです。内訳は多い順に、x-defaultの欠落(56,3 %)、自己参照タグの欠落(18 %)、壊れた/リダイレクトされた参照(16,9 %)、相互タグの欠落(15,3 %)、非canonical参照(8 %)、誤ったISOコード(4,6 %)、HTML langとhreflangの不一致(3,2 %)、重複する言語エントリ(2,5 %)、同一ページを複数言語に宣言(2,5 %)です。

ただし、悲観しすぎる必要はありません。第一に、上位二つのx-defaultと自己参照は推奨で、厳密な必須条件ではないため、実際の重大度は67%より低くなります。第二に、Googleは多くを自動修正します。 Gary Illyesは自身の実装時代にhreflangエラーが*“didn’t cause problems”* (翻訳)「問題を引き起こさなかった」と述べています。私もEnterprise SEO ChaosのSMX講演で、Googleが多くを自動修正している可能性が高く、すべてのhreflangエラーを追う価値はないと説明してきました。ただし、相互リンクの欠落や壊れたURLといった構造上のエラーはクラスターを壊すため、修正が必要です。構造を直し、挙動を監視してください。

2025年の脅威:Googleのtranslate.googプロキシ

知っておくべき新しい変化があります(Motoko Huntによる2025年6月のSearch Engine Land記事)。Googleが高品質な現地語コンテンツがないと判断すると、translate.goog プロキシ経由でコンテンツを自動翻訳します。ブラウザーが重要です。Chromeユーザーは公開元の元URLへ送られるためトラフィックが維持されますが、Safari/Firefoxユーザーは translate.goog を経由し、トラフィックを失います。Ahrefsのデータでは、翻訳URLを伴うAI Overview表示が620万件、露出クリックが数億件に達しました。戦略的な読み方は、ネイティブの現地語コンテンツを公開することが防御であると同時に攻撃でもあることです。すでに提供しているコンテンツをGoogleがプロキシ翻訳する必要はなく、その市場で自分で順位を獲得できます。自動翻訳SERPは、満たされていない需要のシグナルとして扱ってください。

Muellerの注意:すべてを翻訳しない

最後に、節度についてです。John Muellerは、すべての言語へ対応しようとする反射的な発想に注意し、“Let’s create all languages! Let’s make pages for all countries! What if someone in Japan wants to read it in Swahili?” (翻訳)「すべての言語を作ろう。すべての国向けにページを作ろう。日本の誰かがスワヒリ語で読みたがったら?」と述べています。また、“it’s easy to dig into endless pits of complexity with hreflang.” (翻訳)「hreflangでは際限のない複雑さの穴に簡単に入り込めます。」とも言い、“first… limit the number of pages you create to those that are absolutely critical & valuable.” (翻訳)「まず、作るページを絶対に重要で価値のあるものに限定してください。」と助言しています。需要が実証された市場の高トラフィック・高コンバージョンページを優先してください(GSCで対象言語のクエリがすでにインプレッションを得ているか確認します)。作る言語版ごとにクロール、インデックス、canonical化、保守の負担が増えます。本当の見返りがある場所だけに投資してください。

Add an expert note

Pin an expert quote

New person? Create their unclaimed profile at /admin/experts/ → Pin a quote first.