国際SEOキーワード調査

各国で人々が実際に検索するキーワードの見つけ方 — 翻訳が失敗する理由、市場ごとにKDとボリュームが変わる仕組み、私が使うAhrefsのワークフロー。

初回公開:2026年6月25日 · 最終更新:2026年8月3日 · 上級者向け

国際SEOのキーワード調査とは、自国市場のリストを翻訳することではなく、特定の国や言語の人々が実際に検索する語を見つけることです。国境を越えると、同じ言語でも語彙が分かれ、検索ボリュームとKDが市場ごとに変わり、SERPの意図も地域で変化します。解決策は各市場を直接調査することです。市場の優先順位を決め、現地の競合と語を見つけ、ライブSERPで意図を検証し、市場ごとにキーワードを割り当てます。AhrefsではKeywords Explorerの国セレクター、国で絞り込んだSite Explorerのオーガニックキーワード、現地競合とのContent Gap、未開拓市場を見つけるMetrics by Countryを使い、データが薄い場合はGoogle TrendsとGSCで補います。

TL;DR — 国際キーワード調査とは、自国のリストを翻訳するのではなく、各市場を直接調査することです。市場の優先順位を決め → 現地の用語を特定し → 現地のライブSERPで意図を検証し → 現地の競合を見つけ → 市場ごとにキーワードを割り当てます。小規模市場ではボリュームデータが少ないことに注意してください。翻訳が失敗するのは、検索が辞書ではなく文化を反映するからです。この作業に価値があるのは、ボリュームとKDが市場固有であり、自国で埋まっているキーワードが海外では十分狙えることがあるからです。Ahrefsでは、Keywords Explorerの国セレクター、国で絞り込んだSite Explorerのオーガニックキーワード、現地競合とのContent Gap、国別のOrganic Competitors、Metrics by Countryが中核になります。

この主張の根拠 Google Trends supports comparing relative search interest by geography and time, but its normalized sample is not absolute search volume. 対象範囲: Current Google Trends data interpretation. 信頼度: 高 · 検証日: Google Trends Help: FAQ about data この主張の根拠 Google Ads Keyword Planner can filter forecasts and keyword ideas by location and language; advertising estimates are not organic ranking guarantees. 対象範囲: Current Keyword Planner targeting and forecast behavior. 信頼度: 高 · 検証日: Google Ads: Use Keyword Planner

これは国内のキーワード調査と同じ仕事ではありません

標準的なキーワード調査は、1つの市場を前提にします。国境を越えると、通常は固定値として扱う3つの要素が動き始めます。

  • 言葉が動く。 同じ言語でも国によって用語は異なります — “vacation” と “holiday”、“sneakers” と “trainers”、“petrol” と “gas”。言語が変わると差はさらに大きくなり、直訳が検索語ではないことも頻繁にあります。ドイツ人はプロジェクターを “beamer” と呼びます。フランスで犯罪歴を調べる検索は “background check” の逐語訳ではなく、“casier judiciaire” です。現地市場のリーダー企業が用語を定着させることもあります。イタリア人が “prestito auto” より “finanziamento auto” を検索するのは、大手貸し手がその表現で販売してきたことも一因です。
  • 数字が動く。 検索ボリュームは国ごとに異なり、キーワード難易度も同様です。これは国際SEOで最も過小評価されている機会なので、後で詳しく扱います。
  • 意図が動く。 同じ文字列でも、ある市場ではトランザクション型SERPを、別の市場では情報収集型SERPを引き起こすことがあり、結果と競合はまったく異なります。

完成したリストを翻訳するのではありません。市場ごとにもう一度調査を行い、翻訳は多くても入力の1つにとどめます。出力ではありません。

プロセス

1. まず市場の優先順位を決める

すべてを一度に行うことはできませんし、そうするべきでもありません。キーワード作業の前に、どの市場に投資する価値があるかを決めます。トラフィックの可能性(実際の需要があるか)、競争(現地の強いプレイヤーに占有されたSERPで現実的にランキングできるか)、コンテンツへの投資(その市場にどれだけローカライズされたコンテンツと継続的な保守が必要か)の3点を比較します。

出発候補をすばやく見つけるには、何もしなくてもすでにトラフィックを得ている場所を確認します。対象にしていない市場ですでにインプレッションを獲得しているなら、それは提供を求めている需要です。(これに使うツール — Metrics by Countryと国で絞り込んだGSC — は下で詳しく説明します。)

2. 市場ごとに現地の用語を調査する

優先した各市場で問うべきなのは「翻訳は何か」ではなく、「そこで人々は何と入力するか」です。慣用表現、一般名詞化した現地ブランド名、地域語、業界固有の現地用語が対象になります。ここで機械翻訳は静かに失敗します。言語として正しい語を出しますが、その語に検索が付いているとは限りません。翻訳は出発点の仮説として使い、採用を決める前に実際の現地検索データで検証します。

3. 対象市場で意図を検証する

キーワードが翻訳でき、ボリュームもあっても、その市場のライブSERPを確認してからページを作ります。(これをきれいに行う方法はToolsタブを参照してください。)上位結果は現地ブランドですか、それともグローバルブランドですか。トランザクション型だと思っていた語に対して、Googleは情報収集型SERPを表示していますか。ローカルパック、地域ニュース、現地エンティティのナレッジパネルなど、現地固有のSERP機能はありますか。意図の不一致をここで見つければ、何本もの市場向けコンテンツを公開した後で見つけるより、はるかに安く済みます。

4. 現地の競合を分析する

ここは多くの人が飛ばす工程で、その後のすべてを損ないます。グローバルな競合他社は、特定の現地市場でランキングしている相手とは限りません。たとえばドイツ語キーワードについて自国市場の競合とギャップ分析を行えば、間違ったギャップデータを得ます。まず本当の現地競合を特定し、その国での可視性を起点に調査を組み立てます。

5. 小規模市場ではデータの信頼性を考慮する

キーワードツールはクリックストリームとパネルデータからボリュームを推定します。大市場(US、UK、DE)のパネルは小市場よりはるかに厚いものです。実際には、小規模市場でボリュームが「0」と表示されても、実際のトラフィックが存在することがあります。これは検索がないのではなく、データ収集の限界です。たとえばAhrefsは、Keywords Explorerにはまだ十分なデータがないため、ビルマ語はRank Trackerだけで対応していると説明しています。薄い市場のゼロは「需要なし」ではなく「未確認」と扱い、相対的な関心をGoogle Trendsで、すでにインプレッションを得ている証拠をGSCで照合します。

6. 市場ごとにキーワードをマッピングする — 共通か現地固有か

現実的な選択肢は3つあります。

  • ローカライズ層を持つ共通マップ — 主要市場のキーワードマップを出発点にし、各キーワードに現地語があるか監査し、現地調査だけで見つかる語で不足を埋めます。
  • ゼロから市場ごとに作る — 現地の営業/サポートチーム、現地競合のコンテンツ、現地SERPなどを元に、各市場を新規プロジェクトとして扱います。
  • ハイブリッド — まず共通の分類体系を作り、その後市場ごとのギャップ分析で構造の不足を明らかにします。多くのチームにはこれを推奨します。

7. 「対象市場で検索する」方法

現地発見で最も役に立つ習慣は、実際に現地の人のように検索することです。正しい国と言語の設定(または国別ドメイン)でGoogleを使い、対象言語のオートコンプリートを確認し、SERPを読みます。オートコンプリートと「他の人はこちらも検索」は、実際の言い回しを知る無料の窓です。翻訳では見つからない現地の修飾語や口語表現が現れます。現地のフォーラム、Q&Aサイト、現地の営業・サポートチームが顧客から聞く表現とも組み合わせます。

ここまでの内容に関する注意

ここまでのどの内容も、市場でのインデックス登録、ランキング、トラフィック、コンバージョン、AIによる引用を保証するものではありません。市場固有の調査は検索語との適合度を高め、適切な語と市場を優先しやすくしますが、結果を約束するものではありません。その市場で実際にランキングされるか、引用されるかは、競争、コンテンツ品質、技術的な実装、継続的な保守によっても決まります。

エンタープライズ規模ではどうなるか

私はIBMでテクニカルSEOを担当していました。IBMは170か国以上で事業を展開し、Webプレゼンスの規模は、半ば冗談でWikipediaに匹敵するとも言われるほどでした。この規模では、国際キーワード調査は純粋な分析問題ではなく、組織の問題になります。

繰り返し起きる問題はキーワードの所有権です。米国のプロダクトチームは “cloud computing” を、英国チームは自分たちの変種を、ドイツチームはドイツ語の変種を狙う。しかし調整がなければ、地域同士が同じ語を奪い合ったり、3つのチームが同じ市場の調査を別々に行って重複したりします。実際に機能した解決策は、地域別の変種層を持つ中央キーワードマップでした。分類体系の唯一の基準を置き、現地の変種と現地固有の語は、その市場にいる人が所有します。これにより社内カニバリゼーションを防ぎ、同じ調査に3回費用を払うこともなくなります。もう1つのエンタープライズの現実はデプロイです。複数のCMSプラットフォームにまたがってローカライズされたターゲティングとhreflangを正しく設定するのは、それ自体が頭痛の種です。世界で最も整ったキーワードマップにも、それを出荷できる人が必要な理由はそこにあります。

キーワード難易度に隠れた機会

ここで理解しておく価値があるのは、KDは市場固有であり、その差が機会になるということです。Ahrefsは、その市場で現在ランキングしているページの被リンクプロフィールからKDを計算します。そのため、強くリンクされた米国サイトが上位を占めることで米国ではKD 70のキーワードが、ブラジルや、ランキングページが弱い別の英語圏市場であるオーストラリアではKD 30かもしれません。自国では現実的に競争できない語が、別の場所では本当に狙えることがあります。これは特殊なケースではありません。国際SEOに取り組む主な理由の1つです。必ず市場ごとにKDを取得し、価値のある語の難易度が低い市場を特に探してください。

Ahrefsのワークフロー:レポート別

これが、私が国際キーワード作業で実際に使っているツールセットです。各レポートは、すでに知っている機能を国単位で見たものです。

Keywords Explorer — 国セレクター。 ドロップダウンから対象地域を選びます(Keywords Explorerは230以上の地域をカバーします)。すると、その市場のボリューム、KD、Matching terms(現地検索に現れるシード語、つまり現地の修飾語や限定語)、Related terms(コンセプト周辺の現地語彙クラスター)、国別の検索候補がすべて再計算されます。国を英国にして “insurance” を検索すれば、英国の語である “buildings insurance”、“contents insurance”、“motor insurance” が現れ、米国の “homeowners insurance” や “auto insurance” ではありません。言語を話さなくても現地の用語を発見できます。

Site Explorer → Organic Keywords → 国で絞り込む。 現地競合のドメインを入力し、Organic Keywordsを開いて対象国で絞り込みます。その競合がその市場で何にランキングしているかを正確に確認でき、自分のランキングと照合して不足を見つけられます。1つのドメインの市場ごとの足跡を読む方法でもあります。

Organic Competitors — 国別。 対象市場で絞り込んで実行し、本当の現地SERP競合を見つけます。グローバルな競合ではなく、調査対象として知らなかった現地ブランドや地域プレイヤーが見つかることがよくあります。このレポートが上記のステップ3と4の調査の起点になります。

Metrics by Country。 ドメインのトラフィックが市場をまたいでどこから来ているかを確認します。自分のサイトを指定して、すでに強い市場と未開拓の市場を見つけます(未開拓とは、偶然獲得している需要であり、優先順位を決めるうえで有力なシグナルです)。競合を指定すれば、自分がまだ築けていない市場で競合が成長させたものを確認できます。

Content Gap(Site Explorer)。 現地市場の競合を入力し、自分が持っていない、対象国でその競合がランキングしているキーワードを探します。グローバルブランドではなく、現地の本当の競合を3〜5社使うと、国内のプレイヤーがランキングしていても英語にきれいな相当語がないことの多い語を発見できます。思い付きもしなかったキーワードを見つけるうえで、最も生産性の高いレポートです。

一貫している原則は、これをすべて市場ごとに行うことです。同じドメイン、同じシード語、同じレポートでも、国が変われば異なる話を示します。その違いこそが全体の目的です。

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