FAQPage スキーマ

FAQPage スキーマの仕組み、GoogleがFAQリッチリザルトを段階的に廃止した正確な経緯(2023年8月〜2026年5月7日)、FAQPage型が今も有効な理由、QAPageとの違い、2026年に実装する価値があるかを解説します。

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FAQPage スキーマ(schema.org/FAQPage)は、よくある質問の各項目を、nameとtextを持つacceptedAnswerからなるQuestionのmainEntity配列として示します。以前はGoogle検索の展開式FAQリッチリザルトを得られましたが、Googleは2023年8月8日に政府・医療サイトへ限定し、2026年5月7日にそれらを含む全サイトで廃止しました。検索での見え方フィルタ、リッチリザルトレポート、リッチリザルトテスト対応は2026年6月に終了し、Search Console API対応は同年8月に終了予定です。リッチリザルトはなくなりましたが、FAQPage型は非推奨ではなく、今も有効です。Googleはページ理解のため読み取ると説明しており、残してもペナルティはありません。Bingは同等の廃止を発表していませんが、これは現在の表示を独立に確認した証拠ではありません。FAQPageはページ所有者による一つの回答向け、QAPageは複数回答を持つコミュニティQ&A向けです。FAQ スキーマでAI引用が増えるという主張も未証明で、SEJが報じたAhrefsの約1 885ページのテストは、複数のschema型をまとめてわずか+2,2%の変化しか示さず、ランダムな変動と区別できないと評価されました。正確な既存マークアップは残し、廃止済みのリッチリザルトを追わず、新しいFAQはページ上の価値とUXで判断してください。

要点 — schema.org/FAQPageマークアップ(mainEntity → Question → acceptedAnswer → Answer.text)は、以前Googleの展開式FAQリッチリザルトの対象でした。Googleは2023年8月8日に対象を権威ある政府・医療サイトへ限定し、2026年5月7日にはそれらを含む全サイトで完全に廃止しました。Google側のFAQツールも段階的に終了し、検索での見え方フィルタ、リッチリザルトレポート、リッチリザルトテストの対応は2026年6月に終了、Search Console APIの対応は2026年8月に終了予定で、この更新時点ではまだ実施されていません。重要なのは、FAQPageという型自体は非推奨になっていないことです。今も有効なマークアップで、Googleはページ理解のため解析を続けると説明しており、残してもペナルティはありません。Bingは同等の制限や廃止を発表していませんが、発表がないことは現在の表示を独立に確認した証拠ではありません。FAQPageとQAPage(コミュニティQ&Aで、現在もサポートされ、2026年3月24日に対応プロパティが更新)は異なります。「FAQ スキーマでAI引用が増える」という主張も未証明です。確認できたデータは統計的に有意な変化を示していません。既存の正確なマークアップは残し、廃止済みのリッチリザルトを追わず、新しいFAQはページ上の価値とUXで判断するのが私の結論です。

中心となる問い:FAQ スキーマは今も実装する価値があるか

2026年にこのテーマへ来る人の多くが知りたいのはここです。先に答えを示し、その後で根拠を説明します。

  • FAQリッチリザルトは廃止済みです。 2026年5月7日に、すべてのサイトを対象としてGoogle検索から完全に削除されました。
  • FAQPage型は非推奨ではありません。 今も有効なschema.org語彙で、Googleはページ理解のため解析を続けると述べています。残してもペナルティはなく、削除する必要もありません。
  • 既存マークアップを慌てて消さず、以前のSERP拡張を期待して新たに追加しないでください。 その見返りはもうありません。FAQコンテンツは、Googleで意味を失ったschemaのROIではなく、ページ上の価値とUXで評価します。

以下で、その判断の根拠を詳しく説明します。

FAQリッチリザルト廃止までの全経緯

競合記事で最も曖昧になりやすいのが日付です。Googleは一度にFAQリッチリザルトを廃止したのではなく、明確に異なる段階を経ています。

日付変更内容
2023年8月8日FAQリッチリザルトを「広く知られた権威ある政府・医療サイト」に限定。それ以外では通常表示されなくなりました。
2026年5月7日2023年以降も対象だった政府・医療サイトを含め、Google検索での表示を完全に廃止。ドキュメントに廃止告知が追加されました。
2026年6月Search ConsoleのFAQ検索での見え方フィルタ、FAQリッチリザルトレポート、リッチリザルトテストのFAQ対応を削除。
2026年8月Search Console APIのFAQリッチリザルト対応を削除予定。この更新時点では未実施です。

2023年8月:政府・医療サイトへ限定

Googleのブログ記事HowToとFAQのリッチリザルトに関する変更 (2023年8月8日)は、FAQPage構造化データのリッチリザルトを、今後は広く知られた権威ある政府・医療サイトに限って表示し、それ以外のサイトでは通常表示しないと定めました。同時期のSearch Engine Journal も、記事を直接引用して報じています。Googleの説明と業界記事によれば、理由は乱用です。検索意図に合わない人工的なFAQと、画面を占有するためだけの「回答」を追加し、SERPの表示面積を稼ぐサイトが増えていました。

古い記事の多くは、2023年の政府・医療サイト限定という状態を今も現行ルールのように説明しています。最近までこのサイトの構造化データハブもそうでした。しかし、現在の状態は異なります。

2026年5月7日:全サイトで完全廃止

Googleは2026年5月7日にFAQリッチリザルトを完全に廃止しました。2023年から残っていた政府・医療サイト向けの例外もなくなり、現在GoogleでFAQリッチリザルトは表示されません。GoogleはFAQPageドキュメントに廃止告知を追加し、Search Engine Land とSearch Engine Journal がその文言を引用して報じました。Googleのドキュメント変更履歴には、別の後続作業として2026年6月15日付で専用FAQリッチリザルト文書の削除も記録されています。これは5月7日の表示廃止とは別です。下の公式ドキュメント欄に挙げた一般的なFAQPage構造化データの参照ページは執筆時点で残っているため、FAQ関連の全ページが消えたのではなく、専用ガイドが終了したと理解してください。

2026年6月〜8月:GoogleのFAQ関連ツールも終了

SERPの機能廃止に続き、Googleはレポートとテストの仕組みも段階的に終了しました。廃止告知は次のように説明しています。

“FAQ rich results are no longer appearing in Google Search. We will be dropping the FAQ search appearance, rich result report, and support in the Rich results test in June 2026. To allow time for adjusting your API calls, support for the FAQ rich result in the Search Console API will be removed in August 2026.” (翻訳)「FAQリッチリザルトはGoogle検索に表示されなくなりました。FAQの検索での見え方、リッチリザルトレポート、リッチリザルトテストでの対応は2026年6月に終了します。API呼び出しを調整する時間を確保するため、Search Console APIでのFAQリッチリザルト対応は2026年8月に終了します。」

したがって、リッチリザルトテストとSearch ConsoleのFAQレポート/フィルタは2026年6月にFAQ対応を終了しました。Search Console APIは2026年8月に対応終了予定で、この更新時点ではまだ変更されていません。Search Consoleの画面でFAQの検索での見え方を指定してもスクリプトがすでに何も返さないなら、それは6月の変更です。API自体も8月の変更後はFAQデータを返さなくなると見込んでください。

Googleの現在の説明:マークアップは非推奨ではない

このテーマで最も重要で、質の低い解説が誤りやすい区別があります。“Google stopped displaying it” is not the same as “the markup is now wrong / harmful / against guidelines.” (翻訳)「『Googleが表示をやめた』ことと、『マークアップが誤り、有害、またはガイドライン違反になった』ことは同じではありません。」

Googleの廃止告知が対象としているのは語彙ではなく、リッチリザルトという機能です。FAQPage、Question、Answerは今も有効なschema.orgの型です。Googleは、表示結果を生成しなくなった場合もページ理解のため構造化データを読み続けると説明してきました。また、利用されていない構造化データを積極的に削除する必要はなく、検索で問題も生じないというのが同社の継続的な方針です。この正確な一文について一次資料を示したいところですが、今回の調査で最も明確な表現は二次資料に記録されたものでした。新たに取得したGoogleの逐語引用ではなく、確立したGoogle方針として扱ってください。

より広い文脈を示す発言もあります。FAQと同時期に複数の構造化データ表示が終了し、「schemaは終わりつつある」と受け取る人が現れた際、John MuellerはGoogleがschemaを廃止しているわけではないと反論しました。古い型や重複した型を整理し、検索の理解や表示に有用なものを残すという趣旨で、葬式というより散髪です(Search Engine Roundtable による報道)。ただし、この発言はFAQPage単独ではなく、構造化データ廃止の一連の動き全体に関するものと読めます。FAQ固有の見解ではなく、Googleのschema全般への姿勢を示す文脈として扱います。

Google側の結論: ペナルティはなく、削除も不要で、理解のための解析は続きます。ただしリッチリザルトはありません。

FAQPageの構造とJSON-LDの例

マークアップ自体は変わっていません。今も有効なschema.org語彙で、Bingも同等の廃止を発表していないため、構造を理解する価値はあります。これはschema.orgとしての有効性についての説明であり、Googleリッチリザルトへの現在の適格性を主張するものではありません。その機能は廃止済みです。最小限の有効な構造は次のとおりです。

FAQPage → mainEntity(Questionの配列)→ 各Questionにname(質問文)とacceptedAnswer(Answerで、そのtextに回答を入れる。リンクなどの基本的なHTMLを含めることも可能)を設定します。

{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "FAQPage",
  "mainEntity": [
    {
      "@type": "Question",
      "name": "Do I need to remove FAQPage schema now that the rich result is gone?",
      "acceptedAnswer": {
        "@type": "Answer",
        "text": "No. The rich result is gone, but the FAQPage markup is still valid, causes no problems, and Google still reads it. There's no penalty for leaving it in place."
      }
    },
    {
      "@type": "Question",
      "name": "Has Bing made the same change to FAQ rich results as Google?",
      "acceptedAnswer": {
        "@type": "Answer",
        "text": "No. Bing has not announced any equivalent restriction or removal — this is a Google-specific change."
      }
    }
  ]
}

プロパティについて補足します。mainEntityはCreativeWorkから継承され、質問の配列を保持します。Question(schema.org/Question)にはanswerCountとsuggestedAnswerも定義されていますが、FAQでは質問ごとに一つのacceptedAnswerを使います。回答本文はAnswer.textに入ります。この「権威ある回答が一つ」という形こそ、FAQPageとQAPageを分ける点です。 この主張の根拠 FAQPage uses Question entities and acceptedAnswer Answer entities to represent publisher-authored questions and answers. 対象範囲: Schema.org vocabulary; QAPage models a different community-answer use case. 信頼度: 高 · 検証日: Schema.org: FAQPage

FAQPageとQAPageを混同しない

「FAQ スキーマ」と「Q&A schema」を一括りにする解説は多いのですが、両者は適格性も用途も異なる型です。今いちばん正確に理解しておきたい区別です。

FAQPageQAPage
回答を書く人ページ所有者コミュニティ/利用者
質問ごとの回答数権威あるacceptedAnswerが一つ最上位回答とその他など、複数になり得る
典型的なページブランド、ヘルプ、FAQページフォーラムのスレッド、Q&A/Stack Overflow型ページ
Googleリッチリザルト廃止(2026年5月7日)現在もサポート

ページが複数の利用者投稿回答を持つ本物のコミュニティQ&Aなら、使うべき型はFAQPageではなく、別の現在もサポートされているQAPageです。自社で質問と回答を用意したページにQAPageを使うのも、フォーラムにFAQPageを使うのと同様に誤りです。FAQPageがQAPageやDiscussionForumPostingとともにSocial & Communityのschemaグループへ分類されるのは、誰が発言するページなのかを表す同系統の型だからです。そのうち一部だけがリッチリザルトを失いました。

QAPageが残っているのは形式上だけではありません。Googleのドキュメント変更履歴には、2026年3月24日にQAPageの対応プロパティを更新した記録があります。放置された古い型ではなく、現在も保守されていることを示します。ただし、「特定の検索で自分のQAPageが必ずリッチリザルトになる」という意味ではありません。一律に対象だと思い込まず、自分のページの現在の適格性をリッチリザルトテストで確認してください。

FAQ スキーマはAI検索やAI Overviewに役立つか

「FAQ スキーマを入れるとAI OverviewやLLMからの引用が増えるため、それだけで実装する価値がある」という主張をよく見ますが、裏付けはありません。慎重に判断してください。

FAQ構造化データとAI Overviewへの掲載を結び付ける、確認済みのGoogle公式情報はありません。GoogleはAI OverviewやAI Modeに特別なschema.orgマークアップは不要と説明しています。 この主張の根拠 Google says there is no special Schema.org markup required to appear in AI Overviews or AI Mode. 対象範囲: Google Search AI-features guidance; FAQPage markup should not be presented as a confirmed AI-citation lever. 信頼度: 高 · 検証日: Google: AI features and your website 確認できた最良のデータもAI引用の増加を支持していません。Search Engine Journal が報じたAhrefsのテストでは、schema追加前後の約1 885ページにおけるChatGPT引用を測定しました。FAQPage単独ではなく複数のschema型をまとめた検証で、変化はわずか**+2,2%**。研究者自身が「ランダムな変動と区別できないほど小さい」としています。私はこれを効果やペナルティの証拠ではなく、差が確認できなかった結果として扱います。FAQPage固有のテストでもありません。それでも「FAQ スキーマはAI引用を増やすレバーだ」という断定を退けるには十分です。データはその主張を支えていません。

一方で裏付けられる区別があります。明確な質問、直接的な回答、読みやすい形式からなる構造の良いQ&Aコンテンツは、LLMが情報を抽出・再利用しやすく、人にも読みやすいものです。その価値はページ上のコンテンツと構造にあり、FAQPage JSON-LDの有無にかかわらずLLMは読めます。FAQPageマークアップ自体にAI引用を増やす実証済みの効果はありません。良いFAQコンテンツは書くべきですが、schemaのために書かないでください。

Bingは今もFAQ スキーマを利用するか

これは業界全体ではなくGoogle固有の変更です。BingはFAQリッチリザルトの制限や廃止を発表していません。2026年の業界記事では、Bingとそのインデックスを使うDuckDuckGoやBrave SearchがFAQPageマークアップの処理を続けているとされています。ただし、今回Bingの一次資料で独立に再確認できていないため、Bing公式ではなく業界報道として扱ってください。BingはFAQリッチリザルト単独の仕様ページを公開せず、一般的な構造化データのドキュメント を通じて共通のschema.org語彙に対応しています。したがって正確な表現は「Bingによる廃止発表はない」であって、「Bingはすべての検索で現在FAQリッチリザルトを表示している」ではありません。後者は今回独立に確認していません。

Microsoft BingのPrincipal Product ManagerであるFabrice Canelは、より広い構造化データの文脈で、schemaマークアップがMicrosoftのLLMやCopilotによるコンテンツ理解を助けると別途説明しています(Search Engine Land)。このサイトの構造化データハブでも引用済みです。FAQ固有の説明ではありませんが、Googleが表示をやめたからといってFAQマークアップが「あらゆる場所で無意味」と決め付けるべきでない理由にはなります。

FAQPage スキーマが今も役立つ用途

リッチリザルトを除いても、FAQには規模は小さいながら実用的な価値があります。ここで主に指すのはマークアップではなくコンテンツです。

  • ページ上のUX。 整理されたFAQがあれば、利用者はコンバージョン直前の疑問や障害となる詳細を素早く探せます。
  • 内部リンク。 Answer.textは基本的なHTMLを受け付けるため、回答から詳しいページへリンクし、評価と読者を適切に誘導できます。
  • 人と機械のためのコンテンツ整理。 構造化されたQ&Aは人が読みやすく、検索エンジンやLLMも解析しやすい形式です。Googleリッチリザルトの見返りがなくても価値があり、同等の廃止が発表されていないBingでも利用される可能性があります。

結論として、正確な既存FAQPageマークアップは残し(問題はなく、Googleも読み取りを続けると述べています)、読者に役立つ場合はFAQコンテンツを書き続けて構いません。ただし、Google FAQリッチリザルトは廃止されたため、どちらの判断理由にも使わないでください。

FAQPageが全体のどこに位置するかは、このページの上位にある構造化データとSchema Markupの各ハブ、コミュニティQ&A側を扱うQAPage schemaの記事を参照してください。

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